<絵本講演会に欠かせない2冊>

絵本講演に伺う時に欠かせない2冊の絵本です。
幼児から大人にまで幅広く遊び読みしています。

「やさいのおなか」きうちかつ・作絵 福音館書店 1080円
「くだものなんだ」きうちかつ・作絵 福音館書店 1080円

大人に近付けば近付くほど「正しい答え」を言おうとしますが、
幼い子ども達は「見えたまま」に素直な答えを言ってくれますから、
面白いことこの上なし!
昨日は、向日市の保育士の先生方の研修に伺い、
途中で「やさいのおなか」を遊び読みしました。
子どものような答えを言ってくださる先生がおられて、
こちらが爆笑しましたがとても楽しかったです。

「正しさ」よりも「楽しさ」ですよね。

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「マトリョーシカちゃん」

<ロングセラー絵本の中からおすすめを一冊>

「マトリョーシカちゃん」
加古里子/ぶん・え
ヴェ・ヴィクトロフ/原作 イ・ベロポーリスカヤ/原作
福音館書店 972円 3才から

ロシアのお話ですが、かこさとしさんの著書だとご存知でしたか?
会いたい人が一人の人からどんどん出て来る、とっても楽しいお話です。
この歳になってから人に読んで貰って、わくわくする気持ちを味わいました。

すごいなぁ!
夢があっていいなぁ・・・
すてきだなぁ・・・

昭和の子どもような顔が、これまた何とも安心できます。

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「ソーニャのめんどり」

最近の新刊の中から、おすすめの絵本を一冊ご紹介させていただきます。

「ソーニャのめんどり」
フィービー・ウォール作 なかがわちひろ訳 くもん出版 1400円+税
(5才くらいから大人まで)

ソーニャが自分で世話をして育てた三羽のひよこ。
シャツの下であたためて、水をのませ、糞を掃除して、寝床のわらを取りかえて、
立派なめんどりになりました。
そしてある朝、たまごが一つ産んでありました。
一生懸命世話をしてきたソーニャへのご褒美です。
「ありがとう。いただきます」と、
温かいたまごをほっぺたにつけて、ソーニャはつぶやきました。

ある寒い夜のこと。
ソーニャにご褒美のたまごを最初に産んでくれためんどりが、
きつねに襲われて・・・

きつねを悪者にした命の物語ではありません。

「行動の理由をたどっていけば、なにが「悪」なのかを
簡単にきめつけることができなくなるはずです。
この絵本を読んだ子どもたちが、動物や人間の営みについて考えをめぐらし、
客観的なまなざしをもってくれることを願います」
(作者 フィービー・ウォールのことばより)

きつねの餌食となっためんどりのことを思うとき、
胸がしめつけられるとともに、
その先の「命の物語」を想えるソーニャが、
本当にすてきです!

最初と最後のページでは、
ソーニャが別人のように見えるのは私だけではないと思います。。。

ソーニャのめんどり

 

「別冊太陽 あやしい絵本」

「別冊太陽 あやしい絵本」 平凡社 2300円+税

「奇」「異」「怪」「妖」の四つの字をキーワードに、
「あやしい」絵本がたくさん紹介されています。

「奇」の章では、
・「トマトさん」
・「うどんのうーやん」
・「かようびのよる」
など、27冊が。

「異」の章では、
・「月光公園」
・「ちゃんがら町」
・「カエルのバレエ入門」
など、29冊が。

他にもい〜っぱいの絵本が・・・
実におもしろいです。
あなたは、何を「あやしい」としますか?

あやしい絵本

「月にハミング」

「月にハミング」
マイケル・モーパーゴ作 杉田七重訳 小学館 中学生から大人

私はちゃんと生きれているのだろうか・・・

「ちゃんと」って何かな?
人によって違うけど、「周りや社会がどうであろうと、自分が大切だと思う事を大切に生きているか」という事です。私にとっては。
私の知り合いは、まさにそういう生き方をしていました。
自分が大切だと思うもの・・・
人を愛することや人を信じること、「おかしい」と思う事には相手が誰であっても「おかしい」と言い、世間からは受け入れられない人でも自分の哲学を基準に受け入れる。
弱者には限りなく優しく、その事に最後まで責任を持つ。
自分の身を削ってでも・・・。
文章にすると「素晴らしい人」という感じがしますが、実際にこう生きている人は、
多分世間的な一般評価は高くはないと思います。
地位も名誉も財産も、何もないのですから。
いえ、目立つようなものは何もないのですから。
最も本人は「他人の評価」など人生の基準には置いていないのです。
世間の評価の基準こそを変えるべきだと思っている人でした。
私も全く同感です。
キツかったやろな・・・。
それでも、そういう生き方しか出来ない人がいる。
そしてそれに出会った人は、
「大切な事を見失わずに生きていこう!」と思ってしまうのです。
壁にぶつかった時、答えを貰えるのです。
勇気を貰えるのです。
目の前の愛する人を大切にしようを思えるのです。
自分に恥じないように生きようを思えるのです。

この本を読み終えて、私の中にそんな事があふれてきました。。。

「希望の海」でハマったモーパーゴの最新作がこの「月にハミング」です。
「戦争の悲劇と感動の秘話」と帯に書かれていますが、それらを通して、
「行い」の素晴らしさを感じました。
もちろん、その根底には「意志」があるからこそですが。

新しい言葉も貰いました。
「記憶は神の恵み。おぼえているのがあたりまえではないんだって、(後省略)」
大切に想う人の事を忘れられないのは「恵み」だったのですね。

「ウィートクロフト家の家族や、メリー・マッキンタイアや、ヴィルヘルム・クロイツのような人間がいるかぎり、この戦争が終わったら、また世界は幸せな場所にもどるにちがいない。」
今も、この時代もそうだ!と思い感動しました。。。
(これについては読んでみてください)

これが実話だと知りビックリしました!
作者自身の物語なのです!

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