<クラスメイツ>

久しぶりに森絵都さんの作品を読みました♪

<クラスメイツ>
森絵都 偕成社

この本は「前期」と「後期」に分かれた二冊になっています。
北見第二中学A組の24人全員の、24のお話が語られているのです。
一つの出来事でも、そこにまつわる物語は一つではありません。
誰に語られるかによって、違う出来事にすらなってしまいます。

そう。人の数だけ物語はあるのです。。。

(中学生位から大人まで)

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<ごろはちだいみょうじん>

待ちわびた大好きな春。
満開の桜、あたたかいお日さまの光、家の中に現れるわけのわからない虫・・・
あぁ、春だ!
そう感じながらこの冬に思いを寄せたとき、なぜがこの絵本を読みたくなりました。
この冬の最後の最後に、大好きなお父さんが逝きました。
私にとっての「特別な冬」が、終わりました。。。

<ごろはちだいみょうじん>
中川正文・さく 梶山俊夫・え 福音館書店

表紙に一匹のたぬきがいます。
笑顔です。
可愛いというか、憎めない感じというか。
上手いなあ・・・
この絵がこの絵本のお話を全部物語っているように思います。

いたずら者のごろはちが、村の人達の沢山の命を助けるという感動の物語ですが、切なさだけでなく、何かこう、心が明るくなるというか、優しい顔になるというか、私にとってはそういうお話なのです。
好きやなぁ、この絵本。
(4歳から大人まで)
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<鈴狐騒動変化城> すずぎつねそうどうへんげのしろ

<鈴狐騒動変化城>
田中哲弥・著 伊野孝行・画 福音館書店

町で評判の小町娘、おすずちゃんがお嫁に行くことになりました。
ところが、まだ若い殿様がおすずちゃんを我が物にしようとしたから、さあ大変。
殿様の魔の手から、おすずちゃんを守るために清吉たちが考えた大作戦とは・・・。

川に身を投げたおすずちゃんを助けたのは、狐でした。
その狐のおツネちゃんが、おすずちゃんに化けてお城へ上がることになるのですが、このおツネちゃんがめちゃくちゃ面白いのです!
「むははははは!」と笑うのが癖で、屈託がないおツネちゃんは、頼りになるやらならないやら。
でも、私はすっかりおツネちゃんが好きになってしまいました。
おツネちゃんが言うように、人が人を思う気持ちって、ほんと、素敵ですね〜

会話調の落語のような文章も面白くて一気に読んでしまいました。
(小学校高学年位から大人まで)
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<借りぐらし>

忙しーーーーーーいっ!

今の私を表す一言です(笑)
この時期は毎年そうなのです。
それが有難いことなのです。
特に今年は大きな仕事をいただいていて、余計に忙しいのです。
いつも「つぶれかけ状態」が当たり前のえほん館にとっては、ほんとーに有難いことなのです(笑)
そんな仕事以外ほったらかしの毎日の中での先日、雨の日のことです。
朝一番、近くの小学校の全校集会で本の紹介をさせていただき、
(紹介本・絵本「モジャキのくすり」読み物「走れ!カネイノチ」「名犬チロリ」)
一旦帰ってから次の仕事に出掛けようとしたら・・・
ないっ!
表の傘立てに入れておいた傘がない!
しかも私のお気に入りの水玉模様入りのビニール傘。
700円もしたビニール傘。
「貸し出し禁止」と紙までつけていたビニール傘。

・・・盗られた・・・

上桂に引っ越して来て15年。こんなこと一度も無かったのに・・・
ショックでした。
取り敢えずいただいたボロボロのビニール傘をさして出掛けました。
傘が無くなった事がショックだったのではなく、盗られた事がショックでした。
盗る人、いるんや・・・
そんな事を思いながら運転していて、ふと、気付きました。
「盗られた」って、そもそも私のもんやったんか?
お金出して買ったけど、そのお金ももともと私のもんとちゃうし・・・
そんな変な事を考えていて、
この世に「私のもん」ってあるんやろか?
はは、無いやん。ははは。
ってな具合になりました。

あ、そうか!
「床下の小人たち」(一般的には「借りぐらしのアリエッティ」なのかな?)は、
自分の事やったんや!
私が生きてる事が借りぐらしやったんや!
全部、借りてるもんなんや。
と、気付いた私でした。。。

それやったら、セレブ生活出来るくらいの大金貸してー!
(って、ほんまに気付いたんかい!)

面白いことに、
翌日、傘立てに「お気に入りのビニール傘」が戻っていました。
借りたはったんや〜
誰か知らんけど(笑)

(「床下の小人たち」メアリー・ノートン著 岩波少年文庫 シリーズ有り)
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発売前に。

数日前に、絵本児童文学作家のなかがわちひろさんから新刊が届きました。
有難いことに、発売前の出来たてほやほやを送ってくださったのです。
なかがわさんとは、2年前に業界の先輩の紹介で、大学で講演をしていただいたのがご縁の始まりです。
いえ、私の方は作品を通してもっと前から出会っていた「知り合い」だったのですが(笑)

なかがわちひろさんと言えば、「のはらひめ」(徳間書店)「天使のかいかた」(理論社)をはじめ「おたすけこびと」シリーズ(徳間書店)の文章や、「ちいさなあなたへ」(主婦の友社)の翻訳等、とても幅広く活躍されている方です。

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「まほろ姫とブッキラ山の大テング」(偕成社)
小学校へ詰めていた仕事が終わったので早速読んでみました。 が・・・とても面白くて、3日に分けてではありますが一気に読んでしまいました。

わけあって、タヌキの家族に育てられたまほろ姫には、茶々丸というきょうだいがいました。
二人はある日、思ったものに化けるために使う特別な葉っぱを探しに、こっそりとブッキラ山に出掛けて行きました。
ところが、ブッキラ山の大テングを怒らせてしまい、茶々丸が石にされてしまいました。
さあ、大変!
まほろ姫は、何とか大テングに助けてもらおうとするのですが・・・

一言で言うと、「タヌキに育てられたお姫様が活躍する楽しいファンタジー」となるのですが。。
まほろ姫の純粋な勇気とまっすぐな心、大テングとの関わりを通して感じられる「本当の智恵とは何か」。。。等々、
根底にはしっかりと素敵なものがあるのです。
読み終わった後は、何だかとっても嬉しくなりました!
だから、書きたくなってしまいました。。。ふふっ。。。

(11月中旬発売予定・小学校中学年から大人まで)