「子どもたちの遺言」(佼成出版社)
谷川俊太郎・詩 田淵章三・写真
谷川俊太郎・詩 田淵章三・写真
から、私の大好きな詩をひとつ。
大切なことがわからなくなったときに、いかがですか。。。
…
・生まれたよ ぼく・
生まれたよ ぼく
やっとここにやってきた
まだ眼は開いてないけど
まだ耳も聞こえないけど
ぼくは知ってる
ここがどんなにすばらしいところか
だから邪魔しないでください
ぼくが笑うのを ぼくが泣くのを
ぼくが誰かを好きになるのを
ぼくが幸せになるのを
いつかぼくが
ここから出て行くときのために
いまからぼくは遺言する
山はいつまでも高くそびえていてほしい
海はいつまでも深くたたえていてほしい
空はいつまでも青く澄んでいてほしい
そして人はここにやってきた日のことを
忘れずにいてほしい
(この目をまっすぐに見ていられる人間でありたいなぁ・・・)