「ソーニャのめんどり」

最近の新刊の中から、おすすめの絵本を一冊ご紹介させていただきます。

「ソーニャのめんどり」
フィービー・ウォール作 なかがわちひろ訳 くもん出版 1400円+税
(5才くらいから大人まで)

ソーニャが自分で世話をして育てた三羽のひよこ。
シャツの下であたためて、水をのませ、糞を掃除して、寝床のわらを取りかえて、
立派なめんどりになりました。
そしてある朝、たまごが一つ産んでありました。
一生懸命世話をしてきたソーニャへのご褒美です。
「ありがとう。いただきます」と、
温かいたまごをほっぺたにつけて、ソーニャはつぶやきました。

ある寒い夜のこと。
ソーニャにご褒美のたまごを最初に産んでくれためんどりが、
きつねに襲われて・・・

きつねを悪者にした命の物語ではありません。

「行動の理由をたどっていけば、なにが「悪」なのかを
簡単にきめつけることができなくなるはずです。
この絵本を読んだ子どもたちが、動物や人間の営みについて考えをめぐらし、
客観的なまなざしをもってくれることを願います」
(作者 フィービー・ウォールのことばより)

きつねの餌食となっためんどりのことを思うとき、
胸がしめつけられるとともに、
その先の「命の物語」を想えるソーニャが、
本当にすてきです!

最初と最後のページでは、
ソーニャが別人のように見えるのは私だけではないと思います。。。

ソーニャのめんどり